火 葬 が 終 わ り ま し た




例によって重たい内容です。スルー推奨。


本当は当日(水曜)書く予定だったんですが・・・書けませんでした。
一応理由は後述にて。








水曜の朝。
いつもより少し早く目覚まし時計の時間をセットしておいて起きました。
天気は・・・曇り。あまり良い目覚めではありませんでした。


隣には、布団にくるまっているロン太が。。。
見た感じはいつもの通りなんです。
本当に気持ちよさそうに眠っているみたいで。



でも、微動だにしない。うるさかったいびきも聞こえない・・・



・・・夢だったら良かったのに。
あれは悪い夢だった。それにうなされていたんだ、と。
そう、思いたかった。




起きてすぐに涙を流したなんて、生まれて初めてだと思う。
昨日もあんなに沢山泣いたのに。
洗顔したら眼の周りがヒリヒリ痛むくらい、泣いたのに。



早く起きたのは、最後にゆっくりロン太を見ておきたかったから。
携帯のカメラで何枚か撮って。
microSDに永久保存しようと思います。

今日は火葬の日・・・。



もう、僕が家に帰ってくる頃には、ここにはいないんだ・・・。




物凄く仕事に行きたくなかった。突発欠勤したかった。
でも、そうすると確実に迷惑が掛かる。それは避けたかった。
泣く泣く出勤しました。






仕事場に着く。いつもと変わらぬ光景。
違っているのは自分だけ。
独りで居たい・・・ 誰とも話したくない・・・ そんな気分でした。

実際その日仕事場で話した言葉は、

おはようございます 超勤?要らないです はい、自力で終わらせて帰ります

この3パターンだけだった気がしますね。




仕事を始めて数刻後、母からメールが来ました。
要約すると・・・

今から火葬に行ってきます 受付は夕方までだけど、ムリでしょ? 仕事がんばってね




・・・ん?夕方まで!?
待てよ、それなら何とか行けるんじゃ・・・!
がんばって早く終わらせれば、あるいは・・・!

直ぐさま母に電話を掛けました。


『 行けるかもしれない。夕方まで待って欲しい 』


「 受付17時までだよ。大丈夫なの? 」


『 正直厳しいけど、なんとか帰れる様頼んでみる! 』




家族と一緒に火葬に行けるかもしれない!
その思いで、その時頭はいっぱいでした。
一緒に最後の最期のお別れを出来るかもしれない、と。

でも、次の母の言葉で、頭が真っ白になりました。



「 でもね、夕方だと、お父さんが行けないのよ。16時から用事があるって言うし。あと、それに・・・ 」


『 それに? 』


「 夕方だと、向こうさんに預けるだけになっちゃうけど。それでも良い? 」




 ど う い う こ と ?




「 夕方になると預かるだけで、火葬は翌日回しになるの。預けるだけで帰る事になるの 」

「 そうなると、ロン太君・・・今夜は独りぼっちで過ごす事になるんだよ 」





それを聞いた瞬間、涙が抑えられなかった。
そうか。そういうことになるのか、と。
もう仕事場とか周りの目とか関係ないです。なるべく人目につかない場所に移動はしましたけど。

それからまともにしゃべれませんでした。泣いてる事を悟られたくなかったから・・・。変な意地です。



「 そんな思いさせる前に、早く“向こう”に送ってあげよ? 」



うん・・・と、僕はうなずきました。
確かに僕のわがままでロン太にそんな辛い思いはさせられない。
もう十分がんばったもんな。

当初の予定通り、家族に任せよう。

電話を切り、仕事に戻りました。




それでも、戻ってからも度々涙が溢れてきました。
やっぱり行きたかった・・・! 一緒にお別れをしたかった・・・!
その事だけを考えて仕事をしていました。

涙を流しながら仕事してるなんて・・・
周りが見てたらさぞかし異様な光景だったでしょうね。

涙を流しながら昼食を食べてるなんて・・・
そんなに美味しいのかそれ?としか思わないでしょうね。

涙を流しながらバイクを運転するなんて・・・
雨粒がそんなに痛くて冷たいのか?って思うでしょうね。





もう理由なんてない。
超勤代もいらない。今日の分の給料もどうでもいい。
とにかく早く家に帰りたかった。
少しでも早く仕事場を去りたかった。
何も知らずに、笑ってるやつとか正直見てるだけで腹が立ちました。






仕事を終えて家に戻ると・・・
ロン太の居た場所は・・・ 何もなくなっていた。
でも家族の皆は出迎えてくれました。



「 ロン太君、良い顔していたよ 」


「 とっても安らかに眠っていたよ 」



と言って、僕に見せてくれました。

その時に携帯カメラで撮った写真を。


棺の中いっぱいのキレイな花々。

ロン太が好きだったおやつ、ごはん。

ロン太が好きで、かじりまくってボロボロになったぬいぐるみ。

思い出をいっぱい、いっぱい・・・柩に詰め込んで・・・。




顔を上げられなかった。

うん・・・ うん・・・ とだけ、うなずくしか出来なかった。
そして部屋に戻って誰にも見えない所で泣きました。
今日、一体、何回泣いたんだろう。

涙って、意外と少しだけしょっぱいんですね。








それから、少しでも空気を明るくしようとテレビを見る事にしました。
たまたまその時間はヘキサゴンやってたんですけど・・・
あまりに虫酸が走ったんで速攻消しました。毒そのものでした。


ダメだ。
やる気が出ない。
何をしたら良いのか分からない。
ゲームとか全くやりたいとか思えない。


日記もとてもじゃないけど書けない・・・ 書きたくない。


何もかも忘れて眠る事にしました。
まだ20〜21時くらいだったと思うけど。関係ない!
明日もまだ仕事なんだ・・・。



涙を流しつつ・・・ 次の日の朝を迎えました。







いつもの時間に目が覚めました。
ロン太の姿は・・・ やはりもうありませんでした。

家族の姿はありました。
いつも通りの、日常のままの、何事もなかったかのような。


そうだ!
決めたんだ!

もう泣かないって。涙は見せないって。
いつまでも泣いていたら、絶対ロン太に笑われちゃう。
心配されるかもしれない。

ロン太だって、今頃は“向こう”で楽しくやってるんだ。


遺骨は ペットレーン という場所におさめられていて。
そこには、ロン太のお散歩仲間で、ちょっと前に同じく行ってしまった友だちが、一緒に眠っているんです。
だから全然寂しくないはずなんです!“向こう”で楽しく過ごしていると、僕は信じたい。


でも、ロン太の事は絶対に忘れないよ。
思い出すとまだちょっと辛いけど・・・ 忘れたくない思い出だ。

この先も、ずっとずっと忘れない。

これからは今まで通り、笑顔で行くから! 見守っていてね!



 また会える、その日まで・・・

2010年10月


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