KOF’94 怒チームストーリー




 「R」からの招待状を手に取り、ハイデルンは自室の窓の人を眺めた。
 鬱蒼と茂るジャングルは相変わらずだが今の彼にとってはさほど気にならないようである。

 「今回、君に依頼したいのは『キング・オブ・ファイターズ』という格闘大会の裏に潜む
  組織の壊滅だ。招待状も手に入れてある。やってくれるかね?」

 「やってくれるかね?」とたずねながら、国際警察の幹部の口調は、やや強引であった。

 「その招待状を見せて頂けますか。」

 ハイデルンは静かに言った。
 封筒を開け、招待状に目を通した。そしてハイデルンは、ほんの一瞬だが冷静さを失った。
 招待状は「R」と名乗っていた。

 「R…。ルガール…。」

 短くつぶやいて、ハイデルンは8年前の悪夢を思い起こした。
 それは、まさに悪夢と呼ぶにふさわしい出来事であった。
 自分の部下たちが、断末魔の悲鳴をあげ、次々に倒れていったのだ。
 しかもそれはたった1人の男、いや『鬼神』によって行われたといっても過言ではなかった。
 また、その時ハイデルンの愛する妻と娘も…。

 「もう、8年にもなるのか…。」

 その悪夢は妻と娘に対する深い愛情と、右目の眼帯を見る度にハイデルンに
 付きまとっていた。 そして今、こうして再び対峙する時が来たのだ…。

 「遅くなって申し訳ございません。」

 2人の屈強な男がハイデルンの部屋に現れた。ラルフとクラークであった。

 「いや、構わん。今日2人に来てもらったのは……。」

 ラルフとクラークに特殊任務の命が下された。

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