KOF’94 龍虎の拳チームストーリー
「しかし、なんでメキシコやねん…」
ロバートがつぶやいた。
「ん? 何か言ったか、ロバート?」
極限流空手道場メキシコ支部を設立しメキシコにいる弟子を指導するかたわら、
リョウとロバートの修行を行っていたタクマは、ロバートのつぶやきを聞き逃さなかった。「い〜えっ、何でもあらへん!」
うろたえるロバートのもとへ憮然とした表情のリョウがやって来た。
その表情を見逃さなかったロバートは、その場の雰囲気を変えようと、リョウに話しかけた。「どないしたんや? リョウ。そんな顔しとったら男前が台無しやで」
「どうしたも、こうしたもねぇよ! ユリのやつが…」
「なんや? ユリちゃんが、なんやて?」
「ユリのやつが、今度のキング・オブ・ファイターズに出ようって言ったんだ!」
「なんやて? そらあかん。そんな危ないことさしたらあかんで! リョウ」すると、ふいにタクマが現れてこう言った。
「その招待状なら、ここにもあるぞ。ほら、3通ある。
ちょうどいい、メキシコでの修行の成果を試すいい機会だ。
3人一組とあるから、私たちで出場しようではないか!」
「ああ、それがいい! な、ロバート!」リョウは『自分たちでさっさとチームを組んでユリを出場させない作戦』にでたらしい。
「せやなぁ、ユリちゃんがおれへんのは残念やけど、しゃあないなあ」
「よし! 極限流空手チームの恐ろしさを見せてやる!」サカザキ親子の恐ろしいまでの気迫がロバートを圧倒した。