KOF’95 龍虎の拳チームストーリー




 ここは、サウスタウンにある極限流空手道場。
 門下生への稽古をつけ終わった若き師範代、リョウ・サカザキは、後片付けの終わった
 道場の片隅でしばしの休息を迎えていた……はずだったが、勝手口から慌ただしく
 駆け込んできたロバートにその静寂は破られてしまった。

 ロバート「お〜い、リョウ! こんなモンが届きよったで!?」

 血相を変えて飛び込んできたロバートが右手に握りしめていたのは
 キング・オブ・ファイターズの招待状であった。

 リョウ「ん? あぁ、それか。それなら、俺のところにも来ていたよ」
 ロバート「何や、知っとったんか…ま、それはえぇとしてユリちゃんはこのことを知っとんのか?」
 リョウ「いや、今日から“海外旅行”だとかで、つい今しがた家を出たばかりだから、
     恐らく知らないだろう」
 ロバート「呼び戻して、教えてやったほうがええんとちゃう?」
 リョウ「バカ言うな!丁度いい、ロバート。招待状のことは絶対にユリに教えるなよ!」
 ロバート「あぁ、わかっとる。でもな、リョウ。ええ加減、その“過保護”は止したほうが
       ええんとちゃう? ユリちゃんかて、もう立派な“格闘家”やし」
 リョウ「バカヤロウ! あんなお調子者のやってることを、安心して見ていられるか!
     第一、ユリは格闘家としてはまだ未熟すぎる!!」
 ロバート「はぁ…。ま、ワイはどっちでもええねんけどな(残念やなぁ…)」

 ふたりがこんな話をしている頃、空港に到着したユリは自分宛に届いた
 キング・オブ・ファイターズの招待状を手に、舞やキングとチームを結成すべく
 イギリスに飛び立とうとしていた。

 リョウ「ま、それはいいとして……今回の参加メンバーだが、どうする?」
 ロバート「そやなぁ、師匠はもう体に“ガタ”がきとるし。ほかには…」
 タクマ「誰の体に“ガタ”がきとるんだ?」

 突然、道場の勝手口から現れるタクマ。
 あまりにもタイムリーな出現に、思わず「聞き耳を立てていたんじゃないか?」と疑ってしまう
 ロバートだったが、もちろんそれは口にしない。

 リョウ「親父! いつのまに?」
 ロバート「し、師匠! おったんですか?」
 タクマ「わしは極限流の創始者だぞ! まぁ、多少は体にガタはきているが…」
 ロバート「(やっぱり聞いとったんや…)」
 タクマ「何か言いたそうだな、ロバート。なんなら、お前の体で試してみるか?」
 ロバート「え、遠慮させてもらいます!」
 タクマ 「む! では、キマリだな(ニヤリ)」
 リョウ・ロバート「(とほほ…)」

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