KOF’95 怒チームストーリー
季節に関係なく寝苦しい戦場の夜…
傭兵部隊の総帥・ハイデルンは“悪夢”にうなされていた。
額には、玉のような脂汗が浮いている。ハイデルン「クッ… サ、サンドラ… クララ、お前たちは… まだ…」
ここ数日……それも毎夜毎夜、彼を苦しめている悪夢。
それは、9年前にルガールによって殺された妻と娘が、漆黒の闇の中で苦悶の表情を浮かべ、
金縛りにあったように身動きできないハイデルンを悲しい目で見つめ続けるという内容だった。
夢はいつもそこで終わるのだ。ハイデルン「ハッ! …なんということだ。ルガールを倒した今でも、お前たちの魂は……
魂は救われていないというのか!?」愛する妻と娘の生命を奪った「ルガール」は、1年前のキング・オブ・ファイターズで
空母とともに爆死した。これで、妻子の無念を晴らすことができた……
そう思ってたハイデルンだけに、数日連夜と続いているこの“悪夢”の原因がつかめなかった。
自分の手元に「キング・オブ・ファイターズ '95」の招待状が届くまでは…。
悪夢の余韻がさめやらぬ数日後、戦場から帰ったハイデルンは、部下の訓練を監督すべく
自室から出ようとしたところを、何やら封書らしくものを手にしたクラークに呼び止められた。クラーク「隊長! こ、こんなモノが隊長宛に届いておりました!」
ハイデルン「クラーク、軍人たるもの“いつ、いかなる時も冷静であれ”と…」信頼する部下の慌てぶりをたしなめるつもりのハイデルンであったが、クラークが手にしていた
1通の書状……その体裁を見た瞬間、そこからことばが途切れてしまった。
このやり取りを遠くから見ていたラルフは、ハイデルンの普段と何ら変わらぬ表情から「険」を
読み取ったらしく、子細を確認すべく2人のもとへと近づいてきた。ラルフ「何かあったんですか? あっ!」
ハイデルン「見てのとおりだ、ラルフ。キング・オブ・ファイターズの招待状…
しかも、私個人に直接宛てたものらしい… 味なマネをしてくれる」
クラーク「差し出し人は“R”… まさか!?」
ハイデルン「いや、本当にルガールかどうかは問題ではない。
国際警察ではなく、あくまでも私個人に届けられたもの…
我が部隊の名誉のために、これは受けて立たねばならん!」
ラルフ「隊長、分かっているとは思いますが、その大会は1人では…」
クラーク「出場できない、そうですよね?」頼もしい2人の言葉を耳にしつつ、ハイデルンは先日までの“悪夢”に思いを巡らせていた。
ハイデルン「ルガール……再びこの手で!」