KOF’95 ライバルチームストーリー




 暗闇を歩く人影がある。影の名は如月影二。
 両者は技を出し合い、相打ちになったかに見えた…が、
 影二の拳は相手の眉間寸前で止まっていた。

 ビリー「…なぜ、拳を止めた」
 影二「おぬしが、棒を止めたからだ」

 ビリーの棒は、影二の喉元寸前で止まっている。

 影二「フム。確か、ぬしの名前ビリー・カーンとかいったな。私に何用だ」
 ビリー「フッ。まあ待て、役者が揃ってからだ」

 その瞬間、青白い炎が2人の間を走った。

 影二「むうっ!何奴!!」

 暗闇の中から現れた人影は、手に、血まみれの死人のような男を引きずっている。

 庵「フッフッ、つまらん真似をしよって。この程度でオレを殺れるとでも思ったか」

 庵がビリーの前に投げ出したボロボロの男は、ギースの配下の中でも腕利きの格闘家であった。

 庵「人をこんな所に呼び付けておいて、大したご挨拶だな…。
   で……今度はどっちが先に死にたいんだ…」
 ビリー「フンッ、青二才が。黙っていればつけあがりやがって、なめるな!」

 しかし、ビリーは何かに威圧されて動けなかった。
 ゆっくりと近付いてくる庵の背後に、ビリーは異様な影を見たような気がしたからだ。

 ビリー「こ、この俺が、一歩も動けないだと! 貴様は一体…!」
 庵「俺か? 俺は…」

 庵の手が、フワッと炎をまとう。

 庵「八神……庵」
 影二「や、八神だと!」
 ビリー「八神…! そうか… この男が!」
 庵「…死ね」
 ビリー「待て!」

 その言葉に、張り詰めていた緊張感は解かれた。

 ビリー 「さすがだな。2人とも期待以上の人材だ」
 影二「何だと? どういうことだ!」

 ビリーは懐から一通の招待状を取り出した。

 庵「…キング・オブ・ファイターズの招待状か。それがどうした」
 ビリー「当然、出場するんだよ。俺達がチームを組んでな!
      どうだ! お前達にも損な話ではないと思うが…?」
 庵「…K.O.Fか… 確か、草薙 京が出場していたな。
   フッ……おもしろい、奴を殺すにはよい余興かもしれん」
 影二「ふむ、なるほど。私も極限流空手との決着を着けるためには…」
 ビリー「よし、では決まりだな…!」
 庵「いいだろう。だがひとつだけ言っておく。俺を仲間などとは思わないことだ。
   利用できるものは利用する。…それだけだ」
 影二「当然だ。こちらもその気は毛頭ない!では、大会で会おう。さらばだ!」

 立ち去っていく2人。

 ビリー「フッフッフッ、ギース様。これで役者は揃いましたよ。ハッハッハッハッ!」

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