KOF’99 サイコソルジャーチームストーリー




 父親「おねがいです。この子の命は助けてやって下さい」
 
 中国の山村。生まれたばかりの男の子と、黄泉の国に旅だったこの子の母親のとなりで、突然の妻の不幸と息子の悪報に、父親は正気を失いそうになるのを押さえながら、村人数人を前に懇願していた。

 村人1「残念だが・・・ワシ等も辛いんじゃ、わかってくれ」
 村人2「長老が言うには、この子が生まれた今日は二百年に一度の凶日。この子は将来必ず災いを呼ぶ、だから見逃すわけにはいかんのだよ」
 村人3「そういう訳だ、お前には不幸続きで気の毒だが・・・・・。今日はゆっくりその子と妻とのお別れをしてあげてくれ」
 というと、村人の代表数名は、この不幸な家族の家から出ていく。
 そして、その夜、山村からその家族の姿は消えた・・・。

 【大会 283日前 for『鎮 元斎』】

 鎮「うむ、話しは解った。あの子は預かるとしよう。ワシのところには同じ力を持つ者がおる。あの子等同士でしか解らんこともあるしのぅ、仲間と共にすごした方よいじゃろう」
 住職「おぬしなら、安心して預けられるというものじゃ」
 鎮「しかし、超能力を使える者がまだいたとは正直驚いておる。前から前兆みたいなのはあったのかの?」
 住職「いや、数日前から急にじゃった。それまでは普通の子と変わらなかったが・・・わしも、この子の父親から託されたときには、まさかこんな能力を持った子だとは思っていませんでしたしのう」
 鎮「急にというところが気にかかるが・・・・・で、あの子に家族の話しとかはしておるのか?」
 住職「いや、してはおらんが、何となくは気づいているようじゃな」
 鎮「そうか・・・・まぁ、能力を伸ばす方向では預かるが、今後どうするかは、あの子に任せるとしよう」

 【大会 280日前 for『椎 拳崇』】

 「ずっと続くと思ってた」
 「世界の平和・超能力・アテナとの修行」
 「修行は来るべき日のためのもの・・・何度となく平和を脅かす奴が現れた時・・・その成果は発揮してきた」
 「そしてまた・・・平和のために、いつもの生活が始まる・・・・・」
 「だから・・・平和が続く限り・・・修行も・・・アテナとの修行も・・・」
 「これだけで・・・幸せなのに・・・・」

 「ずっと続くと思ってた」
 
 拳崇「超球弾や!!」
  
 ぽすっ!

 拳崇「っかしいなぁ・・・アカン、なんか今日はごっつう調子悪いみたいや」
 アテナ「大丈夫?どこか体の調子が悪いの?」
 拳崇「いや、特にはないねんけどな・・・ハハ、大丈夫、大丈夫!一日寝りゃ治るって」

 「あれ以来・・・アテナは「調子悪いみたいね」と言うが、オレにはわかっている・・・」
 「『・・・超能力の・・・消滅・・・』」
 「ずっと続くと思ってた」
 「オレより強い奴はいくらでもいる」
 「オレ達は、ただ強くなるためだけに修行をしてるわけじゃない」
 「そう、この力があるから・・・・」
 「サイコソルジャーでなきゃ・・・超能力がなきゃ・・・・」
 「ここにいる・・・存在理由が・・・・ない」
 「ずっと続くと思ってた」
 「普通の人に・・・もどっただけ・・・・」
 「それが、こんなに・・・・揺らぐ・・・ものなのか?」

 「ずっと続くと思ってた」

 拳崇「いつまで、ココにおれるんやろか・・・・・」

 【大会 156日前 for『パオ』】

 パオ「拳崇兄ちゃん!ぼくね、ぼくね”サイコボール”が打てるようになったんだよ。ほら、見て!見て!」
 拳崇から少し離れたところで構えると、エイッとサイコボールを打ち出した。
 拳崇「おぉ、すごいやんか! オレもうかうかしてると、パオに追い越されてまうかもしれんなぁ、ハハハ」
 パオ「へへへへ、謝謝(ありがとう)。うーーん、ぼくもみたいなぁ、お兄ちゃんの超能力。はやくもどってくるといいね」
 拳崇「おお、力戻ってきたら、なんぼでもバンバン見せたるわ。めっちゃおっきーーーい超球弾もな」
 パオ「うん、絶対、絶対、約束だよ」

 拳崇(あぁ、戻ってきたら・・・・・な)

【大会 71日前 for『麻宮 アテナ』】

 マネージャー「アテナちゃん、どうしたんだよ?元気ないみたいだけど・・・緊張してんの?」
 アテナ「違うんです・・・・ごめんなさい。ちょっとお友達のことで、心配なことがあって・・・」
 マネージャー「うん」
 アテナ「悩んでいるのは解っているんですけど、私、力になってあげられないんです」
 マネージャー「そっか・・・・・でもさ、とりあえず今はそのことを忘れて元気取り戻してよ。じゃないと、ファンのみんなに悪いじゃん」
 アテナ「・・・はい!そうですよね。ごめんなさい、心配させちゃったみたいで」
 マネージャー「よし!ほら、出番だよ。ファンのみんなが待ってるぞ!!」

 ワァーーー!!ワァーーー!!キャーーーー!!!
 アテナ「みなさーーん!!こんにちわーー!!」
 こーんーにーちーわーーーーーー!!
 アテナ「私のコンサートに来てくれてどうもありがとう!!こんなに来てもらえて、とても嬉しいです!!!(・・・あれ?)」
 客席の中に、見た顔を見つけると首を傾げた。
 アテナ (チャン・・・さん?何故、私のコンサートに?それよりも、何故、日本に?キムさん・チョイさんの姿・・・・も、見えないし、なにかあったのかしら?・・・っと、じゃなくて)
  ワァーーー!!ワァーーー!!キャーーーー!!!
 アテナ「それでは、最初の曲を聞いて下さい『傷だらけのBLUE MOON』!」
  ワァーーーーーー!!ウオーーーーーーーーー!!!
  ♪サ・イ・コ・ソルジャーー・サ・イ・コ・ソルジャーー
 アテナ「♪ストップ!もうこれ以上〜、プリーズ!悲しませないで〜」
  ちゃっ、ちゃ、ちゃ!

 【大会 64日前 for『サイコソルジャーチーム』】

 鎮「今年もキング・オブ・ファイターズが開催されるそうじゃ。今回も、参加しようと思っとる。今回は4人制ということなので、メンバーはワシとおぬしら3人じゃ」
 アテナ・パオ「はい」
 拳崇「ははは、4人制で助かったわ。今まで通りやったら、わいはアウトやったで、ははは」
 鎮「・・・・で、ちょっと無理はあるかもしれんが、パオもここに来てしばらくたつのでな、修行の成果も確かめたい」
 パオ「はい、いっしょうけんめいがんばります」
 アテナ「頑張ってね、パオ君!」
 鎮「それと・・・」

 鎮の目は拳崇に向けられる。

 拳崇「お、なんやなんや。いややなぁ、お師匠さん、神妙な顔して。ははは、大丈夫やって、足ひっぱらんように、頑張るし。大体、ここでの修行は伊達やないねんで、超能力がつかえんでも、ちょちょいと勝ってみせるがな」

 鎮「そうじゃない、拳崇」
 拳崇「・・・・・」

 鎮「ワシは、この大会を通して、お主の力を取り戻すきっかけを掴んでほしいと願っておる。だから、勝ち負けなどは二の次じゃ」
 アテナ「ほら、闘っているうちに思い出すかも知れないじゃない。もし、1戦でだめなら、2戦、3戦って、私たちもチャンスを増やすように頑張るから。拳崇も頑張って、取りもどそ超能力」
 拳崇「アテナ・・・・・ありがとう、オレ頑張るわ」


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