KOF’MAXIMUM IMPACTストーリー
―永遠のサイキックアイドル―
麻宮 アテナ
―――可憐に飛ぶ貴方の姿に惚れました。結婚してください!! 28歳フリーター。
―――貴方のサイコボールを受け止めたい。 45歳会社員。
―――水着写真集を出してください。お願いします。 15歳ドリームボーイ。
アテナは4、5通のファンレターを読み終えるとため息をついた。その時、
「アテナ、あなた宛に手紙が届いているわよ。」
『ありがとう。ママ』 最高の微笑みをママへ返し、手紙を受け取る。
『やった!招待状だわ。早速準備しなくっちゃ!』
使い慣れた旅行カバンを引っ張り出しながらアテナは思った。
<のんびりするのもいいけど、刺激的な方が私には合ってるわ。>
『よう、また来たぜ。』
墓石の前にしゃがみ、枯れた花の横に新しい花を置いた。
「本当は、奇麗な女性が花をたむける方が嬉しいんだろう。」
マキシマは親友の墓標に笑いかけた。
静かな時間が流れる中、墓石の前に佇むマキシマ・・・・・・。
『それじゃ、俺は帰るよ。』
マキシマは墓石を撫でた後、立ち上がった。
その時、風が吹いた。
木々が揺れその音はマキシマにはこう聞こえた。
<マキシマ、俺も楽しかったよ>
「また、来るぜ。」
『膨大だな・・・・・・』
自分を宥めるように呟き、一枚の写真を手に取った。
写真には1人の男が写っている。
「地獄の処刑人と呼ばれるのは、この首の傷のせいか。
フェイトを失った以上、こちらも動くしかない。」
静かなオフィスにFAXの受信音が響く。
FAXから吐き出された報告書には今回行なわれるKOFに、
「アデス」が絡んでいる事が記されていた。
『フフフ、願ってもないチャンスが向こうから転がり込んで来たな。』
セスは椅子へと腰を下ろしながら呟いた。
ふと目線は家族の写真へと移った。
『今回は危険な仕事になりそうだよ・・』
時刻は深夜2時を回っていた。
セスのデスクのライトはその晩消える事はなかった。