ネオジオ バトルコロシアム
キャラ別ストーリー




- 現世を彷徨う帝王の魂 -
秦 崇秀


「なるほど、WAREZが秘伝書を所持しているのですね」

秦崇雷と崇秀兄弟が……いや、正しくは彼らに憑依する二人の先祖、
空龍と海龍が探し求める秦の秘伝書。
それがあれば、二人が共に現世に肉体を取り戻すことができる……そう伝えられている。
もしそれが叶えられれば、この不自由な暮らしも終えることができるだろう。
幸い、WAREZが執り行う大規模な格闘大会がある。
帝王拳の力をもってすれば優勝など容易いこと。
そこまで接近できれば、後はなんとでもすることができるはずだ。

「クスクス…… さぁ、返してもらいますよ」







- 抗えぬ暗黒の血 -
ロック・ハワード


噂は瞬く間に、セカンドサウスに広がった。
Terry's Back!
ギースの忘れ形見のロックと共に、しばらく旅に出ていた伝説の狼が帰ってくる。
凱旋試合として……というわけでもないが、テリーとロックが揃って参加することになった
異種格闘大会『バトルコロシアム』の前評判は上々だった。街は沸き返っている。

「さぁ行こうぜ、テリー!」

ロック・ハワードは、逸るでもなく、焦るでもなく、かといって強がるわけでもなく、
淡々とグローブを両手にはめ、己の内に闘気を高めている。
鵬は今、その羽を空に向けて広げた。
巣立ちの時は、そこまで近づいている。







- 兄を探し、彷徨い続ける少女 -
双葉 ほたる


「今度こそ、お兄ちゃんに会えると思ったのに……」

行方不明の兄を探して、どれだけ旅を続けているだろう。
父と母、そして兄を同時に失った6年前のあの日。
表面は明るく振る舞っていても、1日たりとも忘れたことなどない。
だが、兄の面影という頼りない手がかりを元に人探しを続けるのは困難なことだった。

「やっぱり無理なのかな…… ん? イトカツ、どうしたの?」

テンのイトカツが、一枚の紙切れを拾ってきた。
雑誌の1ページがちぎれたものらしい。

「バトルコロシアム? ……あ、この人!」

不鮮明な写真だったが、記憶の中の兄によく似た男が写っている。
名前も何も記載されていないが、参加者であることは確かだ。

「ここで、お兄ちゃんに会えるかも……、がんばらなくっちゃ!」







- 蘇る無敵の龍 -
二代目Mr.カラテ


坂崎 亮。
かつてロバート・ガルシアと共に、「極限流の龍虎」と並び称された歴戦の空手家。
現在は極限流道場の師範代として多忙な日々を送り、格闘大会へのエントリーは控えて久しい。
だが身近にいる者たちは解っていた。
彼の格闘家としての実力が、今まさに円熟期を迎えようとしていることを……。
バトルコロシアム開催を一月後に控えたある日、格闘界は突然の激震に見舞われた。
ただ一つのニュースによって。

「無敵の龍、再び」

Mr.KARATEが、極限を超える。







- 誇り高き最強の虎 -
ロバート・ガルシア


極限流最強の虎。
そう呼ばれたロバートも、ガルシア財団でそれなりの地位を任されるようになって数年。
修行も続けてはいたが、格闘に対して、以前のような燃える気持ちは持てないでいた。

このまま結婚でもして、家族で楽しく生きてゆく……、悪ないわ。せやろ? リョウ……。

そのようにして日々を安穏と過ごすロバートに、突然の一報がもたらされた。
「バトルコロシアムに坂崎亮参戦。 無敵の龍、再び!」 と。
ロバートは己を恥じた。

「ワイは何を満足しとったんや……、リョウは道を極めよう思て、こうして修行続けとったのに!」

長い眠りから猛虎が目覚めた。
バトルコロシアムで龍虎が相打つ。







- サウスタウンの非情なる黒幕 -
Mr.BIG


サウスタウン裏社会の実力者、Mr.BIG。
野望実現のために策を練る日々を続けていたが、
WAREZがサウスタウンに勢力を拡張してきたと聞いては黙っていられない。

「俺の野望の実現を邪魔するヤツは、誰であろうと
叩き潰してやる……、この街は、サウスタウンは俺の街だ!」

高層ビルの最上階から夜景を見下ろしつつ、彼はバトルコロシアムへの参戦を決めた。
サングラスの奥の目が殺気を帯びる。
彼の街を支配するのは、彼自身でなくてはならないのだ。







- 伝説のアクロバット・クロー -
リー・パイロン


複合企業体WAREZは、製薬の分野にも勢力を拡大しつつあった。
数年前、奇跡の新薬としてもてはやされた白龍丸。
これを開発したリー・パイロンにも、WAREZの手が伸びる。

「素直に製法を教えればよし。金ならいくらでも出そう。もし応じなければ……」

一つ間違えば麻薬と化す白龍丸の製法をめぐり、再三にわたってリーに圧力をかけるWAREZ。
引退した身である以上、多少のことならばと、耐えていたリーだったが、
家族に危害が及ぶにあたり、ついにその腰をあげた。

「若造どもが、このわしを怒らせおって……、ヒョー!!」

今甦る伝説のアクロバット・クロー。
李 白龍、古希を目前にして現役復帰を決意す。







- 豪快無頼の剣客 -
覇王丸


「異国から強ぇヤツが集まってるって?」

とある宿場でそんな噂を耳にした。南蛮人はもちろんのこと、
見たこともない武器や技を使う強者共が生きるか死ぬかの真剣勝負を繰り広げるというのだ。
噂を耳にした時、彼……覇王丸の心は、既に決まっていた。
覇王丸、生国は武蔵。ある貧乏旗本家に生を受けた。
五尺八寸、二十三貫目のがっしりとした体躯に着流しを纏い、
携えるは名刀・河豚毒に徳利一本。性豪放にして磊落。

今は諸国を流れ流れての武者修行。気ままな旅の空である。
覇王丸は宿のおかみを見つけ、徳利に酒を満たしてもらった。
支度といってもそれきりである。

「腕が鳴るねえ……今夜は飲むか!」







- 大自然の護人 -
ナコルル


WAREZの開発地域における自然破壊は、もはや黙視できないレベルにまで
エスカレートしつつあった。容赦のない森林伐採、地下水の汚染、
放射性廃棄物の投棄。開発エリアからは瞬く間に緑が失われ、
動物が姿を消し、汚れた河川に奇形魚の死骸が浮かぶ。

「大自然が……泣いている」

遠く北の大地まで届いた木々や鳥の悲鳴。
アイヌの巫女であるナコルルには、助けを求める悲痛な叫びが、
日ごとに大きくなっていくのが感じられた。

「待っていて。……私が行くから」

明け方。今年初めて南からレラ(風)が吹いた。
ナコルルの居ないカムイコタンに、いつもより早い春が訪れる。







- 凶刃が咲かすは血の桜 -

牙神 幻十郎


宝暦十年 山城国安城村。
ここに一人の人斬りが生まれた。

まだ幼さの残るうちに実母を殺害し出奔したその男は、
花諷院 和狆に師事、古陰一刀流を学ぶ。和狆の元、天性の素質が開花。
同門の覇王丸を凌ぐ実力を持つに至るが、剣の邪なることを和狆に指摘されて破門。
以後、人斬りを生業として生きてきた。

ある日、遊郭に流連けていたその男に、花街には似合わぬ噂が聞こえてきた。
覇王丸が南蛮風の大掛かりな真剣仕合に出場するという。
夜具の上でそれを聞き、キセルを叩く。男の名は牙神幻十郎。

「覇王丸、貴様を……、殺ス」

傍らにいた遊女は、いつまでも忘れることができなかった。
呟く男の狂気の宿った瞳と、漂う血の匂いを。







- ユガに操られし記憶の彷徨人 -


壊帝ユガの手により傀儡と化した半陰の女、色。
ユガの生み出そうとする陰陽一体の暗黒神に興味を抱いたWAREZは、
次元の彼方より両者を呼び寄せ、
兵器開発のためのサンプルデータを手に入れようと目論んだ。

陰魔輪と陽神輪。
対の剣を手に、色は孤独な戦いを続ける。
自らを支配するユガの掌中に戻るために。

闇の世界へと帰るために……。







- 神をも裏切る漆黒の復讐者 -
アスラ


壊帝ユガに敗れ、異界の牢獄に封印されていた一人の男がいた。
その名は「アスラ」。

“Asura”とは「神を裏切る者」の意。
七つの古代武器を操る彼は、その名に相応しい魔界最強の戦士であった。
ユガの秘術により、永遠に続くはずであった幽閉の時。
だがアスラは、ついにその呪縛に打ち勝った。
彼はいま次元を超え、コロシアムに降り立つ。

己の復讐を果たすために。




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