ネオジオ バトルコロシアム
キャラ別ストーリー




- 日出る国の青龍 -


嘉神慎之介を倒し、常世からの脅威をひとまず打ち払った楓は、
東の青龍として急激に成長しつつあった。

だが……、いまだ天空に開いたままの地獄門。
封印するための鍵も、その方法も、未だ全てが謎に包まれたまま、
不気味な波動を現世に響かせ続けている。
どうにもならないそんな現状に、ひとすじの光が差し込んだ。

「西欧列強主催の格闘大会『バトルコロシアム』に優勝した者には、
金でも知識でも、あらゆる報酬が約束される」と。

優勝すれば、地獄門を塞ぐための知識が得られるかも知れない。
疾風丸を手に立ち上がる楓。
その姿には、かつての気弱な面影はない。

「地獄門はこの俺が封じてみせる……、東の青龍の名にかけて!」







- 過去を断ち切る刃 -
御名方 守矢


「己の未熟さを呪うがいい。……この私のようにな」

活殺逸刀流、乱れ雪月花。
新雪に飛び散る血飛沫の中で、一人の男だけが一滴の血も浴びず、
流れるような所作で刀身を鞘に収めた。
斬り捨てた異形の刺客の上に、新たな雪が舞い落ち、積もる。
ここしばらく、正体不明の敵に襲われること数度。
彼らが何故自分を狙うのか、守矢には皆目解らなかった。
だが、この刺客が口にした今際の一言が、ついにその端緒となった。

「地獄門の……、後始末……、『コロシアム』へ……」

御名方守矢は骸に背を向け、雪の中を去った。
彼の過去は、未だ清算されてはいない。







- 猪突猛進の小さな陰陽師 -
一条 あかり


「……相応しい者は晴明以来。四神の力、受け取るがいい」

広壮な一条家の一室で、あかりは目を覚ました。
枕元には四色の鈴が無造作に転がっている。
まだ天空に開いたままの地獄門。その地獄門をめぐる数ヶ月前の顛末。
あかりの見るところ、その現世への影響は弱まってはいない。
姉のひかりが事件後ずっと体調を崩しているのも、きっとそのせいに違いないのだ。
目を覚ましたばかりのあかりを、父の幻貌が呼びつけた。

「よう聞くんや。巷で話題の『ばとるころしあむ』やがな……」

「ぬあに〜、地獄門は『ばとるころしあむ』のせいかいな。ウチが成敗したる!許さへんでー!!」

「こ、こらあかり! 人の話は最後まで聞かんか!」







- 添加に示すは忠義の心 -
鷲塚 慶一郎


時に元治元年、西暦1864年。
京都守護職松平容保お抱えの治安維持部隊として、
攘夷派志士たちに恐れられる最強の集団があった。
池田屋事件を経て急激に力を付けつつあった新撰組である。

隊士個々の名も次第に巷間に広まりつつあったが、
決して表舞台に出ることのない隊士たちもいた。
鷲塚慶一郎もその一人である。

数ヶ月前の地獄門に関する事件後も継続調査を行ってきた鷲塚であるが、
西洋列強の商家らしい「WAREZ」が、これに関与しているとの情報を得る。
首謀者を捕らえれば、地獄門の処置についても何かがわかることだろう。
加えて幕府重臣が行方不明となる事件も頻発しており、
これにも何らかの形でWAREZが関与しているであろうとされていた。

「全ての元凶WAREZを討ち、以って我が忠義の心……、今こそ示す!」

誠の旗の下、壬生の狼が牙を剥く。







- 暁の求道者 -
ハンゾウ


伊賀の山中に、昼夜を分かたず修行に励む、一人の忍者の姿があった。
熱き大和魂を胸に秘め、己を鍛え抜く伊賀忍者軍団頭目、服部半蔵その人である。

「フウマ殿にマッドマン殿が?! それはまことか?」

草の報告によれば、城下で「ばとるころしあむ」なる、大規模な格闘大会が開催される予定だという。

「……なに?! あの男も!」

草の者の報告にハンゾウは思わず立ち上がった。
こうなっては黙っているわけにはいかない。
伊賀忍軍頭目として、またひとりの戦士として、
ハンゾウはバトルコロシアムへの参加を決意した。

「拙者、今から腕が鳴るでござる!」







- 紅蓮の疾風 -
フウマ


ブラウン博士には莫大な額の借金があった。
開発費のかさむ研究を長年続けていたのだから無理もない。

返済に苦しんだ博士は、街の裏通りに支店を出すWAREZ金融から資金を借り入れてしまう。
十日に1割という高利率と過酷な取り立てに音をあげた博士は、
借金のカタとして、ついにタイムマシンを差し出すと約束してしまったのだ。
だが、博士は心の底から後悔した。

「フウマ君、頼む。タイムマシンを取り戻してくれ!」

「んなこと言ったって悪いのは借金したアンタのほ…」

「バトルコロシアムは多くの美女が参戦すると聞いたが……」

「水臭いぜ博士! このフウマ様に任せときな!」

バトルコロシアムへの参戦者が、また一人確定した。







- 踊る精霊使い -
マッドマン


パプアニューギニアの平和な村に、リゾートホテルとゴルフ場が建設されることになった。
村人たちは反対したが、WAREZ観光開発は法の目を巧みにかいくぐり、建設のスピードを緩めない。

日本から呼び寄せられた地上げ屋が平和だった村を闊歩し、村民の退き予定日が迫る。
絶望した村人たちは、村に伝わる伝説にすがった。
何百年も昔、村を守った伝説の精霊戦士マッドマン。
彼の姿を象った聖なる像に供物を捧げ、村人全員で一心に祈った。

「マッドマン様、お願いですじゃ」

「助けて、マッドマン!」

彼らの心の声が遥かな時を超え、精霊戦士の心を揺さぶった。

「大地神ファーファよ、我を未来へと導き給えザマス!」







- 天真爛漫おてんば娘 -
キサラ・ウェストフィールド


関東でその名を聞けば震え上がらない男はいない……。
東日本をシメる「本牧の赤豹」こと草薙 条が、姿を消してから3ヶ月経った。
連絡を聞いて日本にかけつけたキサラだったが、どこを探しても条の影も形もない。

「ねえ勝男クン、条はどこなの?」

「それがさっぱり……、でも姿を消す直前、『バトルコロシアム』が
どうとか言ってたんです。ってあれ? キサラさん??」

すでにそこからキサラの姿は消えていた。

「待ってなさい条! キミはボクの彼氏なんだからね!」

『天真爛漫女子高生! バトルコロシアムで大奮闘! 条、手加減しないからね!』







- 「地域活性化」の星 -
サイバー・ウー


大阪府東大阪市。
技術力の高い町工場が集まることで知られるこの市。その一画に巻島重工はあった。
「こうじょう」より「こうば」と発声したほうが似つかわしい「工場」だ。

「よっしゃ、ゆず!新型機の調整は完璧や!」

全高260cm、重量2000kg。  形式番号CYBER-W00(ダブリュ・ゼロゼロ)
類人猿を模した汎用二足歩行ロボットに電源が入れられた。
家族兼従業員全12名が見守る中で、ロボットの最初の起動は順調に行われた。
あとは……あとは名前を付けてやるだけだ。

「どないする? 町会長は『まいど28号』はどうや言うてるけど」

「名前なんて決まってるよ!」

巻島家の次女、ゆずが外部操縦ポッドから元気に答えた。
ずっと前から決めてあったのだ。

「この子はウー! サイバー・ウーだよっ!」

バトルコロシアムでの優勝目指し、がんばれゆず、負けるなウー。
巻島重工のPRと、地域活性化のために!







- メタルスラッグ、出動! -
マルコ・ロッシ


マルクリウス・デニス・ロッシ。
通称マルコ・ロッシ。

ペルグリン・ファルコンズ(PF隊)少佐、第一中隊長。
一流のプログラマーであり、数々の特殊兵器「スラッグ」を使いこなすエリート兵士
でもあり、さらに数々の武勲をあげてきた正規軍きっての優秀な隊員でもあった。
ひとつの作戦終了後、アイダホで休暇を楽しんでいた
マルコだったが、そんな彼に緊急の連絡が入った。

「なんだと? モーデン元帥が?!」

デビルリバース・モーデン元帥が生きているとの情報だった。
しかも複合企業体WAREZに取り入り、またしても何かよからぬ事を計画中とのことだ。

「ターマとフィオは俺のバックアップに回ってもらう。頼むぞ!」

新日本歴2017年春、メタルスラッグ出動!







- 試練に赴く「元」天界の守護者 -
アテナ


かつて天界の守護者だったアテナは、とある事件での失敗を償うため、
地上に降りて修行を重ねていた。

「体や技を鍛えるだけではダメじゃ。何か下界のためになる行いを成し遂げねばのう」

神様の言葉を思い出しはするものの、さてどうすれば人の役に立てるのやらわからない。

(献血でもすればいいのかしら)
と、そんな天界の勘当娘にうってつけの話が舞い込んだ。
下界では何かと悪い噂の絶えないWAREZ。
それが主催する格闘大会が大規模に催されるという。

「うん、これよこれ! アテナ、あったまいーい♪」







- 「地球」大戦争 -
マーズピープル


「マーピー君、三丁目の斎藤さんにラーメン一丁ね」

「ピポ!(あいよっ)」

マルコ・ロッシらによって地球侵略を阻止された火星人のうち一匹……いや一人は、
母星に帰ることもできずに取り残され、大阪府吹田市の飲食店に住み込みで働いていた。
最初は言葉を交わすことに苦労したが、ありあまる手を使った
ボディ・ランゲージは意思疎通を大いに助け、今ではすっかり店にも馴染んでいる。
今日も忙しい1日が終わり、額のねじりハチマキも外し、
店主とビールでささやかに乾杯した。店主はポツリと言った。

「WAREZなら君を火星まで連れて帰ってくれるさ」

店主は予選会場までの切符を差し出し、行ってきな、と言った。

「ポピピポ(おやじさん)……」

にじんだ涙を見せないように火星人はチケットを受け取った。
帰れるかもしれない。火星へと……。







- 「偽り」の存在 -
ミズチ


WAREZのバイオテクノロジーは、人にあらざる存在を創り出す事すら可能であった。
地球意思……ガイアと呼ばれる存在が実体を得て姿を現した時、
その遺伝子(遺伝子と呼べるのかどうか)を採取することに成功したのである。

「一刻も早く実戦データを採取せよ」

上層部より再三に渡って指示が下される。
万全とは言い難い進歩状況の中、どうにか最初の生体兵器が生み出された。

その名は、「蛟(ミズチ)」

偉大なる存在にちなんでそう名付けられたWAREZ初の生体兵器は、
果たしてどのような戦闘力を発揮するのだろうか。







- 白銀の魔獣 -
獅子王


自らの肉体を薬品や機械を使って強化してきた最強の戦士、獅子王。
だが彼は獣神武闘会で苦杯をなめ、そのスキを敵対組織に付け込まれた
事をきっかけとして、ジパングシティを追放されてしまった。

今、彼は己を高めるため、さらなる強敵の得られる場を求めている。

「バトルコロシアム、か……」

WAREZ主催の超大規模格闘大会であれば、それにふさわしい舞台であろう。
しかし彼は単なる一選手として参加する気などはなかった。
落ちたりとはいえ、獅子王としてのプライドがそれを許さない。

「いっそWAREZに討ち入って中枢を乗っ取り、
この獅子王がその主となってくれよう」

獅子王は再び立ち上がる。彼が真に勝利する日……。
それはバトルコロシアムが獣神武闘会と名を改める日でもあるのだ。







- 究極生命体 -
NEO-DIO


秘密組織「ダムド」が開発していた究極の生体兵器。
それが「DIO」である。
WAREZはDIOによって崩壊させられたダムドのデータを回収し、
独自の技術を加えてその完成型を生み出した。

知力を含めたあらゆる能力で人間を凌駕した新たな生命は、
自らを縛る鎖を解く方法を虎視眈々と追い続けている。

(虫けらどもが……)

NEO-DIOは今、静かに挑戦者を待ち続けている。
彼が真の自由を得た時、WAREZはダムドと同じ運命をたどるのだろうか。
それとも……。




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